豊胸にはどんな方法があるでしょう

豊胸の必要性としては、現実問題として、妊娠出産後に乳房が充分発達しないままに終わり、授乳が困難なほどの貧乳に悩んでいるという女性にたいする治療として考案された技術だということも忘れてはいけません。この技術に美容的効果を付加したものが現在の美容外科における豊胸なのです。もちろん現在でも、実用性重視の豊胸という側面は残っていますが、基本は「自然で美しいバスト」というのが我が国の豊胸の根底理念でしょう。

豊胸も大昔には、ただ大きくすることを主眼でした。直接シリコンを注射するなど、かなり荒っぽい治療も行われたそうですが、現代の美容外科における豊胸では、女性の健康と安全を第一に、同じシリコンを利用する場合でも「バッグ挿入法」「インプラント法」といった、シリコンバッグを適切な位置に挿入する手法がオーソドックスになっています。この治療法で用いられるバッグも、バッグ内の素材についても、日々より安全で快適な素材が開発され続けており、より自然で美しいバストを創る豊胸が実用化されています。

豊胸にバッグを用いるか用いないかは、利用者本人の現在のプロポーションによって治療プランが変わってきます。もともとある程度のバストが「ある」という人の場合、わざわざバッグを挿入せずとも、プチ整形による豊胸でも充分な効果が得られる場合があります。完璧に扁平な状態の場合や、身長・プロポーション・皮下脂肪の量などいろいろな角度から検討し、徹底的なカウンセリングを行った上で、どのような素材の、どのような大きさのバッグを用いて豊胸を行うかが決定されるのです。

豊胸にバッグを用いる治療法は、専門的には「人工乳腺法」と呼ぶのですが、バッグそのものの素材・形状の改良と、外科治療技術そのものの長足の進歩によって、ほとんど傷跡を残さず自然な仕上がりで、本人も違和感を感じずに「本物のバスト」が手に入る豊胸の治療法としてすっかり確立しているのは周知のとおりです。クリニックによって、バッグのメーカーは異なりますが、現代美容外科で用いられる豊胸のためのバッグの品質は、かつてとは比べ物になりません。

豊胸の品質がここまでアップしたのは、単に外観のみを重視していた「対男性視線」の時代と異なり、あくまでバストの持ち主であるユーザー本人の満足度を優先させる、現代美容外科豊胸であるというスタンスが大きいのだと思います。そういう意味で、パットの延長でしかなかった大昔の治療と異なり、現代の豊胸は「本物のバスト」を手に入れるためのアプローチに変化しているということが言えます。